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世界遺産

銀色じゃないのになぜ銀閣寺?

銀閣寺へ行く葵とマッチャ

葵とマッチャは金閣と対になり親しまれている銀閣にやって来ました。

マッチャ
マッチャ
葵ちゃん、金閣の時のおさらいだよ。銀閣は通称『銀閣寺』と呼ばれているけど…?
葵
正式名称は『慈照寺』の中の銀閣ね。で、この銀閣があまりにも有名で、通称『銀閣寺』と呼ばれているってことだったよね?金閣と一緒なら、そういう事だと思うけど…
マッチャ
マッチャ
ピンポーン!大正解!バッチリだね

葵は鼻高々でしたが、ここでマッチャにずっと疑問に思っていたことをぶつけてみました。

葵
でもさ、金閣がキンキラキンの金箔で覆われた金色の楼閣だから『金閣』でしょ?

銀閣は、別に銀色でもなんでもないのに、なんで銀閣って呼ばれてるの?あ、もしかして錆びてああいう色になっちゃったとか?

マッチャは、葵からのこの質問を待っていました。

マッチャ
マッチャ
良い質問だね。銀閣は、そもそも銀色じゃなかったんだよ。
銀閣寺(慈照寺)
マッチャ
マッチャ
ただ、金閣と対をなしてそう呼ばれているだけなんだけど、そもそも金閣と銀閣は建てられた時代も違うし、ただ我々が便宜的に勝手にそう呼んでるだけなんだよ

葵は、もともと銀とは何の関係もなかったことに驚きましたし、建てられた時代が全く異なるというのにもびっくりしました。

マッチャ
マッチャ
金閣は3代目の将軍、足利義満の時代に建てられて、ちょうどその事は日明貿易で中国大陸から豪華絢爛な文化が日本に入ってきていた『北山文化』という文化が栄えていたんだ。

だからキンキラキンなんだ。

対して、銀閣の方は、8代将軍の足利義政の時代に建てられて、その頃の文化は『東山文化』といって、簡素で気品のあるものが流行っていたんだ。

だから派手にきめれば良いってものじゃないよねってことで、銀閣の、この雰囲気になったんだよ

葵
マッチャって、本当に何でも知ってるのね…!

葵は感心しました。

マッチャは嬉しそうに胸を張り、続けます。

銀閣寺(慈照寺)の向月台でわびさびを学ぶ
マッチャ
マッチャ
葵ちゃん、【わび・さび】って聞いたことある?
葵
もっちろん。日本っぽいってやつでしょ?わさび的な?ジャパニーズ!みたいな?

マッチャは思わずずっこけました。

マッチャ
マッチャ
う~ん、違うんだなぁ・・・
葵
え!?わさびって【わびさび】が語源なんじゃないの!?
だって、ホラ、お寿司屋さんで『サビ抜きで』とか言うじゃん!
マッチャ
マッチャ
違う、違う。あのね、わび、さびを漢字にしてみると分かりやすいんだけど、【わび】は『侘しい』の漢字、【さび】は『寂しい』の漢字を使っているんだよ。

うーん、そうだな、ひと言では説明できないような深い意味があるんだけど、質素で決して派手さや豪華さは無いけれど、なんとも言えない風情があるような、いわゆる『余白の美』というものを感じさせるような言葉なんだけど…

葵
うう…分かるような、分からないような…
マッチャ
マッチャ
このね、【わび・さび】っていう日本特有の美意識が生まれたのが、この銀閣、というかこの時代、つまり『東山文化』の時代だったって言われているんだ

マッチャは子どもに見えるけど、実はすごく歳を取ってるのかな…などと思いながら、葵は改めて慈照寺の境内に溢れる、確かに派手ではないけれど、ほどよく落ち着きのある景色をしばらく眺めて時間を過ごしました。