
ねぇ、葵ちゃん、教王護国寺って行ったことある?
ある日、マッチャが突然、葵に聞きました。



ん?きょうおう…なんて?



教王護国寺



知らないなぁ。そんなところ京都にあるの?



って言うと思った。じゃあ質問変えるね。
東寺は行ったことある?
東寺は行ったことある?



当たり前じゃん。五重の塔で有名な、東寺でしょ?
ん?
もしかして、東寺って金閣や銀閣と同じで通称なの?正式名称は、えっと、きょうおう…なんたら寺?



教王護国寺ね。
そう、その通り。やっぱり知らなかったか~
そう、その通り。やっぱり知らなかったか~



もう、そうやってちょっとバカにするの、やめてよ



あはは、ごめんごめん
東寺は、見事な五重の塔が有名で、よく京都のポストカードや、四季折々の京都の写真集などにも登場する、インパクトのある景観が特徴です。
京都駅からほど近いこともあり、観光客からも人気のスポットですが、有名なのは五重の塔だけではありません。
マッチャは、葵を連れて教王護国寺、通称「東寺」にやって来ました。



まず、この柳を見て。ほら、あそこに何か書いてあるでしょ?
そういうマッチャの指さす先を見ると、「小野道風ゆかりの柳」という看板が立っていますう。



ここの柳には、ある逸話があってね。
なんでも、小野道風っていう、平安時代のとある貴族が、自分に書道の才能がないことで落ち込んでいたんだ。
そんな時に、この柳の葉っぱにカエルがつかまろうと何度も何度も挑戦して、ついには成功した姿を見て『何ごとも【あきらめない心】が大事』って気づいて、それから超がんばって書道の達人になった、って言われてるんだって



おお、『あきらめない心』ね!こんな昔から言われていたのね!
柳の木の近くには、カエルの置石があり、その逸話を彷彿とさせます。



それから、東寺に来て五重の塔を見る時に、探してほしいのが『隠れ邪鬼』なんだ



邪鬼?



うん、屋根を支えてるんだ、というヒントで、探してみてね
葵が目を凝らしてよく探すと…



あ!いた!!
確かに小さな鬼が五重の塔の屋根を支えているではありませんか。



なんかちょっと可愛い♪
コミカルで、少し情けないような顔をした小鬼が、一生懸命屋根を支えている姿は、ちょっとした笑いを誘います。
こんな小さな発見が楽しい教王護国寺(東寺)なのでした。