天龍寺の龍と目が合うのはなぜ?雲龍図の作者たちと襖絵についても解説

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天龍寺の龍と目が合うのはなぜ?雲龍図の作者や龍の襖絵
30代女性

天龍寺の雲龍図、目が合うって本当?

なんで目が合うのかな?

天龍寺の龍と目が合う理由、気になりますよね。

理由を知らないと、見学の楽しみが半減するかもしれません。

そこで、今回は天龍寺の雲龍図の目が合う理由と作者について紹介します。

ここでわかること
  • 龍と目が合う理由は描き方や目の表現技法
  • 雲龍図の作者は二人(鈴木松年と加山又造)
  • 龍の襖絵の作者も二人(曽我蕭白と若狭物外)
目次

天龍寺の龍と目が合う理由

雲龍図イメージ
雲龍図イメージ

天龍寺の雲龍図は、どこから見ても龍の目と合うように見える「八方睨みの龍」で有名です。

この現象は、龍の描き方に秘密があります。次の3つのポイントで説明します。

この現象を理解するために、龍の描き方や目の表現技法について詳しく見ていきましょう。

龍の目が合う仕組み

天龍寺の雲龍図は、どこから見ても龍の目がこちらを睨んでいるように見えます。

これは、目の描き方に特別な技法が使われているためです。

  • 両目の位置と角度を計算
  • 視線を強調する描き方
  • 目の周囲の陰影の使い方

例えば、目の位置と角度を正確に計算し、視線を強調する描き方が用いられています。

これにより、どの角度から見ても龍の目が観る人を見つめているように感じられるのです。

また、目の周囲の陰影の使い方も重要で、目の奥行き感を強調することで視線の強さを増しています。

このような技法が組み合わさったものが、天龍寺の「八方睨みの龍」の雲龍図なのです。

見る角度の違い

八方睨みの雲龍図は見る角度によっても龍の表情が変わるため、どの角度から見ても目が合うように感じられます。

これは、雲龍図が360度どの方向から見ても美しく見えるように設計されているからです。

  • 中央に配置された龍
  • 広がる雲の描写
  • 視線の中心を意識した構図

例えば、龍が中央に配置され、その周囲に広がる雲が描かれています。

これにより、どの方向から見ても視線が龍の目に引き寄せられるようになっています。

また、視線の中心を意識した構図も、目が合うように感じさせるポイントです。

これらの工夫により、天龍寺の八方睨みの龍は観る者に強い印象を与え続けています。

龍の目の表現技法

龍の目の表現には特別な技法が使われています。

この技法によって、目が合うように感じられるのです。

  • 光と陰影の強調
  • 瞳の描き方
  • 目の周囲の詳細な描写

例えば、光と陰影を強調することで、目の立体感を出しています

瞳の描き方も細かく、視線が強調されています。

また、目の周囲の詳細な描写も、目が合うように感じさせるポイントです。

これらの技法を駆使して、天龍寺の八方睨みの龍はどこから見ても目が合うように描かれています。

次に、天龍寺の雲龍図の作者とその歴史的背景について詳しく見ていきましょう。

天龍寺の雲龍図の作者

天龍寺の雲龍図には二人の作者がいらっしゃいます。

  • 1899年作 鈴木松年
  • 1997年作 加山又造

両方の雲龍図を見比べられる機会はわずかですが、その時期を狙って訪れるのもいいですね。

現在の作者と昔の作者について解説します。

鈴木松年

最初に天龍寺の龍を描いたのは、鈴木松年(すずきしょうねん)画伯でした。

昔の雲龍図
  • 制作年:1899年(明治32年)
  • 損傷が激しく一部のみ保存されている
  • 年に一度だけ大方丈にて一般公開

和紙に描かれた雲龍図だったため、時間とともに修復不可能となり、今では一部しか見ることができません。

鈴木松年画伯は明治から大正時代にかけて活躍した日本画家です。

その作品は個人所有も多くありますが、国内外でも所蔵されています。

  • 「群仙図」 京都国立博物館
  • 「老松図屏風」 メトロポリタン美術館
  • 「戦勝萬歳図」 ボストン美術館

加山又造

現在の天龍寺の雲龍図を手がけたのは、近代日本画の巨匠・加山又造画伯です。

現在の雲龍図
  • 描いた場所:天龍寺法堂の天井
  • 制作年:1997年(平成9年)
  • 経緯:天龍寺開山夢窓国師650年遠諱記念事業

1997年1月から1998年4月まで、総工費約3億円をかけて法堂の耐震工事や天井画が一新されました。

文化勲章を受章している加山又造画伯は、日本芸術院の会員でもあり、国内外でその作品が高く評価されています。

彼の作品は、伝統的な技法と現代的な感覚が融合した独特のスタイルが特徴です。

  • 「墨龍」 久遠寺大本堂天井画
  • 「春秋波濤」「雪」「月」「花」 東京国立近代美術館
  • 「黄山霖雨・黄山湧雲」 京都国立近代美術館 など

彼の作品は、日本国内外で高く評価されており、多くの美術館に収蔵されています。

このような背景を持つ加山又造画伯が手がけた天龍寺の雲龍図は、その美しさと迫力で多くの人々を魅了しています。

天龍寺の龍の襖絵を描いたのは誰?

天龍寺には、「八方睨みの龍」の雲龍図だけではなく、雲龍の絵が描かれた襖絵も見どころです。

この龍の絵を描いたのは誰なのか、雲龍図とは違う作者なのか、気になりますよね。

大方丈(だいほうじょう)にて、龍の襖絵を見ることができますが、こちらにも二人の作者がいます。

若狭物外

普段見ることのできる襖絵は、1957年(昭和32年)に物外道人(若狭物外ともいう)により描かれました。

ふすまの形がほぼ正方形で、まさにアートという趣です。

保護のためのアクリル板(ガラス板?)があるので、上手に写真を撮るのが至難の業かも。

しかし、人が少ない時を狙うと、庭園が映り込んでとても美麗な1枚となりますよ。

曾我蕭白

1763年(宝暦13年)に曽我蕭白(そがしょうはく)が描いたとされる巨大な龍の襖絵の複製品を、期間限定で見ることができます。

2024年は6月1日〜7月17日

原本はボストン美術館に所蔵されており、最新の修復作業による高精細複製品が天龍寺に寄贈されました。

襖の雲龍図も天井画同様、その迫力と美しさで多くの人々を魅了し続けています。

天龍寺の雲龍図の魅力と見どころ

龍イメージ
龍イメージ

雲龍図の特徴や見どころについて、さらに詳しく解説します。

雲龍図の魅力を知ることで、訪れる際の楽しみがさらに増すでしょう。

鳴き龍は京都の天龍寺ではなく、泉涌寺(せんにゅうじ)にあります。

雲龍図の特徴

天龍寺の雲龍図は、迫力ある龍の描写が特徴です。

そのスケールと細部にわたる描写が、観る者を圧倒します。

  • 天井一面に広がる龍
  • 力強い筆致
  • 精密な描写

天井画はタテ約10m×ヨコ約12m、そこの直径9mほどの青い円相内に龍が描かれています。

天井一面に広がる龍の姿は圧巻です。

力強い筆致と精密な描写が組み合わさり、龍の迫力が一層際立っています。

また、雲龍図の細部にわたる描写も魅力の一つで、龍の鱗や髭などが細かく描かれていますので、しっかり見てみてくださいね。

龍の詳細

天龍寺の雲龍図に描かれた龍は、非常に迫力ある姿をしています。

この龍の詳細について見ていきましょう。

  • 巨大な体
  • 鋭い目
  • 力強い爪

龍の巨大な体は天井一面に広がり、その存在感は圧倒的です。

鋭い目が特徴で、どの角度から見ても視線が合う八方睨みの龍として描かれています。

現在の天龍寺の雲龍図(加山又造画伯作)は、足に五本の爪を持つ五爪の龍(ごそうのりゅう)です。

五爪の龍は、中国の皇帝の象徴とされており、その威厳と権力を示すものとされています。

昔は3本爪の龍が主流だったこともあり、鈴木松年画伯の雲龍図の龍は3本爪です。

これらの詳細な描写が、天龍寺の雲龍図をより魅力的なものにしています。

龍の力強さと美しさを感じることができる雲龍図は、訪れる人々に深い印象を与えますね。

龍以外の見どころ

天龍寺の雲龍図には、龍以外にも見どころがあります。

これらの見どころについても紹介します。

  • 背景の雲
  • 周囲の装飾
  • 全体の構図

背景の雲が龍の迫力を引き立てており、周囲の装飾も美しく、龍との調和が取れています。

全体の構図も見事で、雲龍図全体が一つの芸術作品として完成されていますね。

このように、天龍寺の雲龍図は龍だけでなく、その周囲の描写や構図も魅力的です。

訪れる際には、これらの見どころもぜひチェックしてみてください。

雲龍図の迫力と美しさに圧倒されますね。

天龍寺の龍と目が合う理由や作者についてのまとめ

今回は、天龍寺の雲龍図の目が合う理由とその作者について紹介しました。

この記事のポイント!
  • 龍と目が合う理由は描き方や目の表現技法
  • 雲龍図の作者は二人(鈴木松年と加山又造)
  • 龍の襖絵の作者も二人(曽我蕭白と若狭物外)

天龍寺の雲龍図では、特別な表現技法により、どの角度から見ても龍の目が合うように描かれています。

さらに、実は二人という雲龍図や龍の襖絵の作者についてもご紹介しました。

また、雲龍図の美しい特徴や、龍以外の見どころについても解説しています。

天龍寺の龍と目が合う理由が分かってスッキリよ!

天龍寺に行った際は、雲龍図の天井画と襖絵の龍を存分に堪能してくださいね!

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