京都には数多くの観光名所があります。その中で隠れた見どころのひとつとしてあげられるのが、宇治市にある世界遺産の宇治上神社です。
ただ単に見に行くだけでも厳かな場所で堪能できますが、事前にどのようなところなのかを知っていれば、より一層楽しむことができます。
京都に数多くある寺社仏閣の中で、宇治上神社はどのような場所で、どのような歴史を持っているのか、見どころも含めてご紹介します。
宇治上神社の見どころ
宇治上神社は、数多くある世界遺産の中でも、一目見てわかるほどの華美さや豪華な雰囲気はなく、こぢんまりとした神社といった印象が強いです。
しかし、厳かな雰囲気と長い歴史を感じさせるお社、山を背景とした凛とした佇まいのある、美しい神社でもあります。
あまり時間がなくてもひと通り回ることができますので、ぜひ足を運んでみてください。
ケヤキの木
神社の入り口でもある表門では、朱塗りの美しくも大きな鳥居が出迎えてくれます。門を抜ければ小さな橋があり、山寺や民家のような印象を受ける人も多いでしょう。
拝殿の右側には、大きなケヤキの木が立っています。しめ縄がまかれ、コケも見受けられるこのケヤキの木は宇治上神社のご神木で、樹齢330年以上です。
拝殿
拝殿は国宝に指定されており、平安時代の住宅様式によって建てられています。1215年(建保3年)に建立されたと思われます(年輪年代測定法による算出)。
拝殿を正面から見ると、両脇に二つの円錐形砂山があります。
この砂山は、「清め砂」と呼ばれるもので、9月1日の八朔祭(はっさくさい)の際に奉納されて、境内を清める意味を持っているものです。
本殿
さらに進んでいくと、国宝の本殿へとたどり着きます。1060年(康平3年)に建立されたと思われます(年輪年代測定法による算出)。
表側は格子でおおわれており、それを通して内殿を見ることができます。木の美しい作りで、現存する世界最古の神社建築という点も見どころです。
なお、拝殿も本殿も左右非対称です。そんなところもチェックしてみてください。
桐原水
宇治上神社の境内には、宇治七名水の中で唯一失われていない湧き水の桐原水(きりはらすい)があり、知る人ぞ知る名所です。
手水として使われているため、このお水を直接飲むのは避けましょう。お水を持ち帰り、沸かしてからなら飲むことも可能です。
岩神様(岩神さん)
願掛けスポットが2箇所あります。かつて本殿があった場所にある、しめ縄を巻いた巨石で、天降石や岩神様(岩神さん)の愛称で呼ばれています。
神様が降臨する石といった信仰や、小石を落とさずに積むと願いが叶う、といった噂もあります。
私たちも小石を上に積んできました!
春日社
国の重要文化財として、一間社流造の社殿は檜皮葺(ひわだぶき)。藤原氏の繁栄を願って鎌倉時代後期に建てられた春日社もチェックしましょう。
春日社の左側にも岩神さんがありますので、お見逃しなく。
うさぎのおみくじ
ついつい目を奪われてしまううさぎのおみくじは外せません!
白、ピンク、水色、黄色のかわいらしいうさぎの形をしたお守りみくじで、尻尾を引っ張るとおみくじが出てきます。ぜひぜひ目が合ったうさぎさんを持ち帰ってきてください♪
だから、ひとつひとつを見るだけじゃなく、全体を俯瞰して見てみてね。
宇治上神社って、ちょっとした物語の舞台になりそうな神秘的な場所なのね。
宇治上神社のご利益
宇治上神社には次のようなご利益があるとされています。
- 学業成就・・・菟道稚郎子の聡明さより
- 勝負運・・・・応神天皇より
- 病気平癒、悪運を切り良縁を結ぶ・・・仁徳天皇より
- 安産・・・・・神功皇后より
- 商売繁盛・・・奥の稲荷社より
学問に通じた菟道稚郎子命にあやかった学業成就がよく知られており、2種類の柄と各5色ずつ、合計10種類の中から選ぶことができる学業御守を求める人が多くいらっしゃいます。
宇治上神社の御朱印
宮司さん直筆の御朱印だけでなく、季節限定の御朱印や金字朱印など、色とりどりの御朱印がたくさんあるのも宇治上神社の特徴です。
もちろん、持参した御朱印帳に書いていただくこともできます。
季節限定の御朱印は数量限定でもあるため、遅い時間に行くといただけない可能性も。なるべく早い時間に行きたいところです。
なお、季節限定の御朱印は日付が入りません。参拝日を入れてもらいたいなら、他のデザインの御朱印を選びましょう。
宇治上神社の歴史について簡単に説明
「宇治上神社」の歴史は、日本の寺社仏閣の中でも非常に古く、本殿は平安時代後期、拝殿は鎌倉時代の初めに建てられた日本最古の神社建築です。
現存最古の神社建築
年輪年代測定法による算出はあるものの、創建年ははっきりしていません。しかし、927年に編纂された延喜式の中には記述があることから、それ以前には存在していたと推定されています。
応神天皇の離宮跡地に社殿を造ったことが始まりともいわれ、さまざまな説があるほか、その歴史から建築の移り変わりの資料としての価値も高いです。
また、源氏物語宇治十帖に登場している八の宮邸の跡地ともいわれており、源氏物語の世界観が広がっています。
宇治上神社の神様のお話
御祭神は中殿が応神天皇(おうじんてんのう/父君)、右殿が仁徳天皇(にんとくてんのう/兄君)、左殿が菟道稚郎子命(うじのわきいらつこ/弟君)です。
父親の応神天皇と異母兄弟の菟道稚郎子命、仁徳天皇の3柱には、兄弟間で皇位を譲り合い、果ては自殺をしてしまうという悲しい逸話が残されています。
宇治上神社の創建されるいわれとなる物語の詳細は宇治上神社に置かれていますので、ぜひ手にとって読んでみてください。
手作り感満載でほっこりしちゃう♪
宇治上神社と宇治神社の違い
宇治上神社のすぐそばに宇治神社があります。かつては二社一体とされていましたが、現在は別のものです。
祭神の菟道稚郎子命が道に迷った際、幾度となく振り返りながら道案内したうさぎの逸話が残っており、みかえりうさぎがいる神社として親しまれているのが宇治神社です。
みかえりうさぎは、地名の由来でもあり、人生を道徳の正しい道へと導く存在として、よくモチーフにされている存在でもあります。
5分とかからず行けますので、両方をお参りしましょう。
宇治上神社の基本情報
源氏物語宇治十帖の舞台である宇治ですが、昔の表記はうさぎのみちと書いて「菟道(うじ)」と呼ばれていました。
宇治上神社の御祭神の一柱である菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)は「菟道」と書きます。
そのため、宇治にはうさぎがモチーフになったものも多く、宇治上神社でもおみくじや願い人形(ねがいひとかた)、お守りの紋などにうさぎが取り入れられています。
住所 | 京都府宇治市宇治山田59 |
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電話番号 | 0774-21-4634 |
アクセス | JR奈良線 宇治駅より徒歩約20分 京阪電車宇治線 宇治駅より徒歩約10分 |
参拝時間 | 9:00~16:30 |
料金 | 無料 |
所要時間の目安 | 10~20分 |
公式サイト | - |
まとめ
宇治上神社の見どころと歴史について、分かりやすく簡単にまとめました。
たくさんの見どころをご紹介していますが、どれも近接しているため、全部をくまなく見て回っても15分あれば余裕でしょう。
また、境内を案内してくださるボランティアの方がいらっしゃる場合もあります。遠慮せずにいろいろ聞いてみると、思わぬ発見ができるかもしれません♪