仁和寺は、国宝の金堂や阿弥陀三尊、重要文化財の仏像などが安置されており、江戸時代に創建された五重塔や御影堂、観音堂など多くの重要文化財があります。
また、建造物以外にも、庭にあるお多福桜ともいう背丈の低い御室桜(おむろざくら)が多くの人々に親しまれています。
そんな仁和寺の見どころや歴史について、わかりやすく簡単にまとめました。
仁和寺の見どころ
時間がなくてもここだけはおさえておきたい、という仁和寺の見どころを事前にチェックしておきましょう。
二王門
仁和寺には、真言宗御室派総本山の名にふさわしい見事な二王門があります。
これは徳川三代将軍家光公の寄進によるもので、知恩院、南禅寺とともに「京都三大門」に数えられています。
仁和寺の敷地は広大で、主に二王門をくぐり参道の先にある伽藍部分と、二王門を入ってすぐ左の門の先にある御殿部分とに分かれています。
御室桜
遅咲きで有名な庭の御室桜(おむろざくら)は4月中頃から見ごろを迎えます。
また、金堂へ続く参道の両脇に並ぶ紅葉も大変立派ですので、霊宝館の一般公開の時期に合わせて見学するのがおすすめです。
仁和寺創建当時の本尊であった阿弥陀如来座像、脇侍である勢至菩薩立像、観音菩薩立像(阿弥陀三尊)などの仏像を展示する霊宝館。
春季(4月1日~5月第4日曜日まで)秋季(10月1日~11月24日まで)の年二回一般公開されています。
五重塔
伽藍部分には金堂、御影堂、観音堂、五重塔などがあります。
仁和寺の五重塔は、同じく世界遺産に指定された東寺の五重塔と同じく江戸時代の寛永期に建立されました。
これら2つの五重塔は、上層から下層にかけて各層の幅にあまり差が見られない姿が特徴です。東寺の五重塔と見比べてみるのも面白いですね。
庭園
御殿部分は御室御殿とも呼ばれています。宇多天皇が出家後仁和寺で修行に励んだことから御室御所とも呼ばれました。
御室御殿は二つの異なる庭、南庭と北庭を回廊で結ぶ庭園形式になっています。
南庭は貴族的な雰囲気をもっており、左近の桜、右近の橘、そして白砂の庭が特徴的です。北庭は寺院的で、中央の池を中心に大小さまざまな植木が配置された池泉式の庭園です。
仁和寺の歴史について簡単に説明
なぜ仁和寺という名前に?
徒然草に登場する「仁和寺にある法師」のお話で有名な仁和寺は、仁和2年(886年)に第58代光孝天皇によって建立を発願されたことに始まります。
しかし、光孝天皇はその翌年崩御されたため、第59代宇多天皇によって引き継がれ、仁和4年(888年)に完成しました。
完成当時の仁和という元号が仁和寺の名前の由来となっています。
復活まで160年
宇多天皇が出家され「御室(おむろ)」とよばれる僧坊(住居)を建て、初代住職として住んだのちに明治時代に至るまで、代々皇族が歴代の門跡(住職)を務めました。
ここでは絶大な力を誇りましたが、応仁の乱で一山のほとんどを焼失してしまいます。
本尊の阿弥陀三尊は真光院に移され事なきを得ましたが、再興の機会が訪れたのは、江戸時代に入り徳川三代将軍家光公の治世になってからと、およそ160年の月日を要しました。
仁和寺の基本情報
仁和寺は、真言宗御室派総本山の仏教寺院です。皇室とゆかりの深い門跡寺院で、別名は御室御所(おむろごしょ)とも。
京都御所と同じ様式で建てられた宸殿や白書院などがあり、桜や紅葉の季節でなくても訪れたい雰囲気抜群の寺院です。
住所 | 京都市右京区御室大内33 |
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電話番号 | 075-461-1155 |
アクセス | 市バス・京都バス・JRバス 御室仁和寺よりすぐ 嵐電(京福電鉄)御室仁和寺駅より徒歩約3分 JR嵯峨野線 花岡駅より徒歩約15分 |
拝観時間 | 3~11月 9:00~16:30 12~2月 9:00~16:00 |
拝観料金 | 御殿:500円 霊宝館(期間限定):500円 伽藍特別入山:500円 茶室(遼廓亭・飛濤亭):1,000円(※5名以上で7日前までに要予約) |
所要時間の目安 | 35~45分 |
公式サイト | http://www.ninnaji.jp/ |
まとめ
仁和寺の見どころと歴史について、分かりやすく簡単にまとめました。歴史的な背景や見どころを把握しておくことで、仁和寺のあるきかたも変わることでしょう。
広い境内は風雅で歴史を感じさせてくれる風景にあふれています。ぜひのんびりと散策してみることをオススメします。