行願寺(ぎょうがんじ)は京都市内にある寺院のひとつです。別名では革堂(こうどう)とも呼ばれており、規模は大きくないものの、さまざまな見どころが詰まった寺院です。
特別拝観のときにだけに見られる仏像や絵馬も、多くの人々を引き付けています。
この行願寺について、具体的な見どころや歴史情報について簡単にご紹介します。行く前にサラッと予習しておいてくださいね。
革堂(行願寺)の見どころ
行願寺(革堂)は小規模なつくりですが、見どころの多い寺院です。行願寺に入って最初に視界に入ってくるのは、その建物の数々です。
本堂と鐘楼
なかでも、本堂と鐘楼は京都市有形文化財に指定されており、木造で建てられた重厚感のある姿を楽しむことができます。
また、本堂の中には行願寺を創設した行円上人作と伝えられる「千手観音像」が安置されています。
こちらの仏像は普段は非公開であり、毎年1月の初観音の日だけ見られるという特別なものになっているのが特徴です。
そのため、もし機会があれば、本堂などと合わせて見学するようにしましょう。このほかにも、南北朝時代の金剛力士像なども寺院内には存在します。
革衣と幽霊絵馬
さらに、宝物館に保管されている革衣や幽霊絵馬も大きな見どころです。革衣は、創設者の行円上人(ぎょうえんしょうにん) が肌身離さず身に着けていたとされる衣服です。
幽霊絵馬は1816年、奉公人として働いていた「ふみ」という若い女性に由来するものであり、彼女の姿を描いたものになります。
ふみは最終的に奉公先で殺されてしまうという悲劇を体験しますが、絵馬はその魂を鎮めるためのものなのです。
また、この絵馬は普段は見学ができないものですが、毎年8月22日~24日の3日間に行われる幽霊絵馬供養の際には一般にも公開されます。
このように行願寺には特別拝観の日も何日か設けられているので、より寺院内の歴史や文化を堪能したい人は特別拝観の日を狙って行くのも良いでしょう。
都七福神めぐり
七福神から福運を授かりたいと、全国各地で七福神まいりが行われています。日本でいちばん古くからある巡拝コースで、七福神巡り発祥の地が京都の都七福神なのです。
この七福神巡りは一年中できますが、新春に行うとより良いとされています。革堂を含む七福神巡りのバスツアーに参加したので、参考にしてみてください。
革堂(行願寺)の歴史について簡単に説明
行願寺は天台宗に属する寺院であり、西国三十三所第十九番札所としても知られています。
革堂という名前の由来
革堂という名称でも有名ですが、この呼び方は寺院の歴史とも直結したものとなっています。行願寺を創設した行円上人は元々狩猟を仕事としていた人物であり、数々の動物の命を奪って生活していました。
あるとき、自分が仕留めた鹿が小鹿を身ごもっていたのを見て、今までの行いに後悔の念をいだきました。それがきっかけで仏の道に進むこととなり、行願寺を設立。
行円上人自身は死んだ鹿の皮を肌身離さず身に着けていたことから「革聖(かわひじり)」と呼ばれ、お寺も革堂とも呼ばれることになったのです。
このような歴史的背景を持っている行願寺は、行円上人がすべての人々の成仏を「願い、行じる」という意味も込めて名付けられています。
創建はいつ?
創建年は寛弘元年(1004年)と、1000年以上もの非常に長い歴史がある寺院です。移転と焼亡を繰り返し、豊臣秀吉が「天下太平福寿円満」を祈るため、現在地に落ち着きました。
安土桃山時代に建てられた寿老人神堂や、同じく1800年代に建てられたままの姿で残っている本堂や鐘楼も、多くの人々に悠久の歴史を感じさせるものとなっています。
革堂(行願寺)の基本情報
行願寺(ぎょうがんじ)の通称は「革堂(こうどう・かわどう)」。創建当時は今の上京区の一条通りにあったため、「一条革堂」と呼ばれた時期も。
寿老神堂には、長寿や福徳の功徳がある寿老神が祀られています。都七福神めぐりや月参りなど、長寿を願う人々に人気の寺院です。
住所 | 京都市中京区寺町通竹屋町上ル行願寺門前町17 |
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電話番号 | 075-211-2770 |
アクセス | 市バス 河原町丸太町より徒歩約5分 地下鉄烏丸線 丸太町駅より徒歩約7分 京阪電車 神宮丸太町より徒歩約15分 |
拝観時間 | 8:00~16:30 |
拝観料金 | 無料 |
所要時間の目安 | 約10~20分 |
公式サイト | https://saikoku33.gr.jp/place/19 |
まとめ
革堂(行願寺)の見どころと歴史について、分かりやすく簡単にまとめました。
御朱印を求める人で列ができることがあるものの、お寺自体はそれほど広くないため、参拝には時間がかかりません。ぐるっとひと回りしても、およそ10分くらいのものです。
京都御所からすぐの場所にありますので、散策ついでに寄り道してみては?