しだれ桜のライトアップでも有名な京都の世界遺産、醍醐寺。
仏像、絵画、工芸品など貴重な寺宝を公開している霊宝館、京都で最も古い建物とされる五重塔など、貴重な国宝を有しています。
1日中ここで過ごしても十分なほど、多くの国宝や景勝地が点在しています。ここでは観光ポイントや歴史などをわかりやすく紹介します。
醍醐寺の見どころ
醍醐寺は徒歩で1時間以上離れた、上醍醐と下醍醐から成り立っています。時間がなくてもここだけはおさえておきたい、という醍醐寺の見どころを簡単にまとめます。
霊宝館
まず挙げたい見どころは、下醍醐にある霊宝館です。諸堂に祀られている諸尊以外は、ほとんど霊宝館に保存されています。
なかでも、病気を癒し、苦しみを除く仏として、古くから人々の信仰を集めてきた国宝薬師三尊像はじっくり見てきてください。
また、同じく霊宝館にて公開されている如意輪観音も必見です。平安時代に作られた像で、重要文化財に指定されています。
上醍醐にも如意輪観音がありますので、どちらが好きか比べてみるのも面白いですね。
五重塔
さらに、天暦5年(951年)の建立時の姿を残している京都府下最古の木造建築、五重塔も見逃せません。
京都の多くの寺社が焼失と再建を繰り返しているのですが、この五重塔は一度も焼失していない大変貴重な建造物です。
細部の見事な細工と姿の美しさから、法隆寺と瑠璃光寺の五重塔とともに「日本三大名塔」に数えられてきました。
三宝院庭園
醍醐寺の三宝院庭園は、国の特別名勝に指定されています。この景色も見逃せない観光ポイントです。特に紅葉の季節の弁天堂は有名で、この時期も多くの観光客が訪れます。
五大力
もし2月の京都旅行を計画しているのであれば、2月23日に行われる五大力(ごだいりき)に参加するのもおすすめです。「五大力さん」とも言われ、国民の平和を願って例年行われています。
正午より行われる「餅上げ力奉納」では、男性は150kg、女性は90kgの大きな鏡餅をかかえ上げ、力を奉納します。筋力に自信のあるかたはチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
醍醐寺の歴史について簡単に説明
醍醐寺は、父親である醍醐天皇の冥福を祈るため朱雀天皇が起工し、天暦5年(951)に完成しました。
平安時代末には、白河上皇・源氏の帰依により山一帯の整備がされ、鎌倉時代になると真言宗事相の根本道場として権威を高め、多くの密教芸術がここから生まれました。
醍醐の花見
さらに安土桃山時代になると、豊臣秀吉が1598年(慶長3年)3月15日に三宝院裏の山麓において「醍醐の花見」を行いました。
それにちなんで毎年4月の第2日曜日には豊太閤花見行列が行われています。このように歴史を遡ると、長い間人々の信仰を集めてきたことがよくわかりますね。
仏教破壊運動を耐え忍ぶ
明治維新期には「廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)」により、多くの寺院は財源が必要となり、仏像や什物の譲渡を余儀なくされました。
醍醐寺も例外ではなく試練に立たされましたが、三宝院流と、当山派修験としての恵印法流を同等に伝承すべき立場から、ほとんどの寺宝を外部に流出させませんでした。
そのため、今でも約10万点もの重要文化財が霊宝館はじめ各所に残っています。
醍醐寺の基本情報
貞観16年(874年)、空海の孫弟子である理源大師の聖宝が庵を結んだのが始まりとされている醍醐寺。
醍醐山全体が寺域とされ、金堂や五重塔などの国宝や清瀧宮本殿などの重要文化財を有し、密教美術の宝庫でもあります。
大規模な花見が開催されたことでも知られる醍醐寺は、現在でも京都の桜の名所として親しまれています。また、豊臣秀吉ゆかりの地として欠かせないスポットだといえるでしょう。
住所 | 京都市伏見区醍醐東大路町22 |
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電話番号 | 075-571-0002 |
アクセス | 地下鉄東西線 醍醐駅より徒歩約10分 京阪バス 醍醐寺前・醍醐寺下車よりすぐ |
拝観時間 | 3月1日~12月第1日曜日 9:00~17:00 12月第1日曜日の翌日~2月末日 9:00~16:30 |
拝観料金 | 三宝院・霊宝館・伽藍の3ヶ所共通券 通常期 大人:800円、中学・高校生:600円 春期・秋期 大人:1,500円、中学・高校生:1,000円 ※春期:3月20日~5月15日、秋期:10月15日~12月10日 |
所要時間の目安 | 40~60分(上醍醐を除く) |
公式サイト | https://www.daigoji.or.jp/ |
まとめ
醍醐寺の見どころと歴史について、分かりやすく簡単にまとめました。
三宝院、霊宝館、伽藍とくまなく見て回るとそれなりに時間はかかります。しかし、境内には売店や茶屋、和カフェ、和食レストランなど、休憩できる場所が5ヶ所もあります。
せっかく醍醐寺まで行ったなら、近くの勧修寺や随心院といったスポットへも足を運びたいところ。居心地の良いカフェでうっかり長居してしまわないよう、気をつけてくださいね。