紅葉のシーズン、南禅寺は境内全体が約300本のみごとな紅葉で彩られますが、「ここを見るべき」という箇所がいくつかあります。
有料の箇所を回るコースと、無料で楽しめるコースの二通りを紅葉狩りモデルコースとしてピックアップしてみました。
それぞれの拝観所要時間の目安や、わかりやすい回り方とカンタンな境内の地図も載せますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
南禅寺の紅葉狩りモデルコース2種(有料と無料)
南禅寺の近くには永観堂もあり、哲学の道や安楽寺、法然院、銀閣寺と、散策しながら紅葉を楽しめるルートもあります。
しかし、その工程は5キロほどあり、半日がかりですので、時間がない方には不向きです。また、たくさんは歩けない、歩きたくない、という方もいらっしゃるでしょう。
今回は、南禅寺だけ楽しめればOK!という方のためのコースを取り上げてみます。
南禅寺のモデルコース 有料バージョンの回り方
南禅寺は、勅使門、三門、法堂、方丈が一直線に並んで配置されており、秋には広い伽藍にある約300本の紅葉で彩られます。
南禅寺の見どころは、天下竜門ともいわれる三門の上からの紅葉、大方丈にある小堀遠州による枯山水庭園が有名ですので、手短に堪能するならこの二つは拝観しておきましょう。
- 南禅寺 三門
- 南禅寺 方丈庭園
三門
歌舞伎で南禅寺の三門の上から石川五右衛門が『絶景かな!』と言うセリフが有名なように、三門の上に上がって一面を見渡すと、山側には紅葉、反対側は京都の街が一望できる壮大な景色が見られます。
拝観料:500円
方丈庭園
方丈庭園は枯山水の庭で、巨大な石を横に寝かして配置する「虎の子渡し」で有名な庭園です。普段は色彩を感じさせない枯山水の庭が、中にあるモミジと塀の外の紅葉に彩られて独特な美しさを醸し出します。
拝観料:500円
まさに、この時期しか見ることができない紅葉観賞になりますね。
さらに、時間もあるし、お金もかけて大丈夫!というなら、三門と方丈庭園に加えて、南禅寺の塔頭をそれぞれ見て回りましょう。その場合のルートは、こんな感じがオススメです。
- 金地院
- 南禅寺 三門
- 南禅寺 方丈庭園
- 南禅院
- 天授庵
金地院
応永年間(1394~1428年)に洛北に創立したお寺を、慶長十年(1605年)頃に現在地に移したとされているのが金地院(こんちいん)です。
重要文化財の茶室八窓席(はっそうのせき)、小堀遠州作で国の特別名勝に指定されている枯山水庭園「鶴亀の庭」などが見どころです。
拝観料:400円
南禅院
亀山上皇の離宮を禅寺に改めたもので、南禅寺発祥の地。心字池が特色の池泉回遊式庭園は夢窓疎石が完成させたもので、京都の三名勝史跡庭園のひとつです。
京都に唯一残っている鎌倉時代の庭を、約50本の紅葉が彩ります。また、重要文化財の亀山天皇坐像が方丈に祀られています。
拝観料:300円
天授庵
暦応二年(1339年)に、南禅寺第15代住職の虎関師錬が建立し、慶長七年(1602年)に細川幽斎が再興。
苔と石畳がモダンなデザインの白砂の枯山水の庭と、南北朝時代の池泉回遊式庭園の二つの庭園があり、趣の違う紅葉を味わえる1箇所で2度おいしい場所です。
ライトアップも行われているため、他を回ってから最後に訪れるのがベストです。
拝観料:500円(夜間特別拝観:600円)
南禅寺の紅葉狩りモデルコース 無料バージョンの回り方
南禅寺で最も有名なのが、正面の三門と紅葉のコラボです。また、タイムスリップしたような赤レンガの水路閣と紅葉の重なりも見逃せません。
- 南禅寺 三門を外から
- 水路閣
三門の正面と横
高さ約22メートルで日本三大門のひとつである三門は、正面、横、上とどこから見ても絶景が楽しめますが、正面と横からなら見るのはタダ!
門から法堂へ続く参道の脇には、たくさんの紅葉があり、それを外から見ると、巨大な木の門がちょうど額縁のようになります。「絵のよう」という形容をそのまま味わうことのできる見事さです。
水路閣
南禅寺のもう一つの顔ともいうべき水路閣も忘れたくない場所。南禅寺の境内を通過するために、特別なデザインで作られたアーチ型の美しい水路です。
レトロなレンガ造りと紅葉の組み合わせも、独特な趣があってとてもステキです。
近年はフォトジェニックな写真が撮れるところとしても有名で、ローラをはじめ、さまざまな方がインスタに載せていますね。
南禅寺の拝観所要時間は?
前述のとおり、南禅寺は見どころがたくさんあるため、どこを選んで見て回るかによって、その拝観所要時間は大きく変わります。
特に写真も撮らず、ザッと見て回るだけの人と、しっかり写真を撮ってお茶でも飲んでゆっくりとという人では、ざっくり言って1~2時間くらいの差があるでしょう。
庭を見て物思いにふけったり、インスタ映えする写真を撮ろうと画策していると、あっという間に時間は過ぎてしまいますからね・・・
それぞれの場所で一般的な拝観を想定した大まかな所要時間の目安を挙げてみますので、現地で混み具合や写真にかける時間などはうまく調整してくださいね。
南禅寺 三門 | 約10~20分 |
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南禅寺 方丈庭園 | 約20~30分 |
金地院 | 約20~30分 |
南禅院 | 約20~30分 |
天授庵 | 約20~30分 |
水路閣 | 約10~20分 |
南禅寺の境内地図
地下鉄東西線の蹴上(けあげ)駅から南禅寺に向かうルートにすると、「ねじりまんぼ」を通って行くことができてオススメです。
南禅寺の基本情報
南禅寺は京都市左京区にある臨済宗南禅寺派の大本山です。(正式名は太平興国南禅禅寺)
建武元年(1334年)に京都五山の第一位となり、室町時代には足利義満によって五山之上とされ最高位とされました。
国宝の方丈、重要文化財の勅使門、三門、「琴棋群仙図(きんきぐんせんず)」「二十四孝図(陸績図)」「群虎図」など、数多くの寺宝を所有しています。
住所 | 京都市左京区南禅寺福地町86 |
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電話番号 | 075-771-0365 |
アクセス | 市バス 東天王町または南禅寺・永観堂道下車より徒歩約10分 地下鉄東西線 蹴上駅下車より徒歩約10分 |
拝観時間 | 3月1日~11月30日 8:40~17:00(受付は16:40まで) 12月1日~2月28日 8:40~16:30(受付は16:10まで) ※12月28日~31日は一般拝観不可 |
拝観料金 | 方丈庭園 500円 三門 500円 南禅院 300円 |
所要時間の目安 | 40~180分 |
公式サイト | http://www.nanzen.net/ |
まとめ
南禅寺の紅葉狩りのモデルコースとして、有料バージョンと無料バージョンの回り方についてまとめました。また、各箇所の拝観所要時間や境内の地図も掲載しています。
見るべきところがたくさんあるということは、それだけ楽しみ方も増えるということですよね。時間があるときもないときも、自分で組み立てられるので行きやすいと言えるでしょう。
秋以降は南禅寺周辺の湯豆腐屋さんへ行く方も増え、紅葉の時期は南禅寺や永観堂(禅林寺)へ行く人でかなりのにぎわいとなります。
それだけ見ごたえのある場所なので仕方ありませんが、混雑のピークを避けたいなら、やはり早朝9時前に出かけた方がいいかも。
最新の紅葉の色づき具合を確認するには、京都のオフィシャルサイト京都観光Navi 紅葉だよりをチェックしてみてくださいね。